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second girl【完】

第9章 変わって行くもの

「なぁ……晶」



「ん?」



「本当は今言うことじゃねぇーのかも知れねないけど…」






繋いでいる手から、隆史の熱が伝わってくる。




その熱と隆史の言葉に、急に体が汗ばんでくる。








普通の恋人だったら『何?どうしたの?』なんて、気楽に聞けるのかもしれない。





けど私にはそれが言えない。


所詮は"ごっこ"


それを言ってしまったら、全てが終わってしまいそうだった。








「…あれからずっと考えてた…」







あれからって…
いつのことだろう…






「晶とアイツがキスしてた時」







あっ!
五郎とのこと。
あの合コンの時から……






私は顔を上げて隆史を見てしまった。





隆史は眉を下げて淋しそうに笑うと、チュッと音を立てて、私の瞼にキスを落とした。




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