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second girl【完】

第3章 彼女登場

「晶」


こんなんじゃダメ!


「晶」




私はあの日の隆史を忘れるように、パンッと頬を叩いた。




「晶!!!」


「はい?」




目の前にはいつから居たのか、店長が両目を見開き私を見ていた。




「はい?じゃないわけ!何回も呼んでるのに……ったく、仕事中なのに何ボーっとしてるの」




そう…
私は仕事中。
駅ビルの雑貨屋で働いている。




「…すいません」



店長に頭を下げて、お店にいるお客さんに目を向けた。




そこには、楽しそうに雑貨を見ているカップル。




「あぁ~カップルかぁ…」



今にも消えそうな私の声を、店長は聞き落とさなかった。




「仕事中!」




笑っているけど、目がマジ。
私は引きつりながら、営業スマイルをして、店長から離れた。



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