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second girl【完】

第4章 罠

隆史は近くに投げ捨ててあった、私のTシャツを私に渡してソファーに座った。



タバコを取り出し火を点けて、白い煙を吐き出してから、額に滲んでいる汗を、腕で拭くようにすると






「晶はどうして欲しい?」





真っ直ぐ向けられた瞳は、私を捉えて離さない。






隆史からはけして、要求を口にしない。



私が本当にしてほしいことを、口に出来るはずがない。



きっと隆史も分かっている。



自分の逃げ道を作るなんて、最低な男。



その最低な男にそばにいて欲しいと思う私は、隆史よりも最低な女。








罠を仕掛けたはずが、また隆史の罠にはまる。









「そばにいて…」




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