誘惑のサンタクロース
第1章 ☆
「じゃあさ、15日の夜
またここで逢えないかな?」
15日の夜?
なんで15日なの?
「うん、来れると思う」
「じゃあ決まりね。
夜11時、
ここに待ち合わせでいい?」
「うん、わかった」
「じゃあね、黒ちゃん」
ベンチから立ち上がり
またわたしの頭をぽんぽんと軽く叩くと
歩いていってしまった。
急に決まった待ち合わせ、
それも夜の11時なんて
いったいなんだろう?
ドキドキする胸を落ち着かせるように
また空を見上げる。
サンタのあの星座を見るだけで
あの綺麗な笑顔が思い出された。