誘惑のサンタクロース
第1章 ☆
月に照らされた綺麗な横顔を見ていると、
急にこちらに顔を向けた。
びっくりして、体がちょっと跳ねてしまったけれど
気づかれてはいないと思う。
「どの星が好きなの?」
昔パパに教えてもらったあの星座、
「あの真ん中にあるやつ」
「オリオン座ね、俺も好き」
ここに座って、その星座ばかりを見ていた。
冬の星座として、有名らしい
大きな星座。
目印になるみたいにおっきくて、
その星を見るたび
昔の幸せだった頃を思い出して、
もうあの頃には戻れないのかなって思っていた。