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誘惑のサンタクロース

第5章 その後☆




「大人はね、簡単には

 素直になれないんだよ。

 でも紅里が助けてあげられれば

 奇跡が起こって

 仲直りできるんじゃないかな」




星弥くんはやさしく

わたしを諭すように言ってくれる。




「わたしにできる?」


「紅里じゃないと

 できないことなんじゃないかな」





お兄ちゃんは家にはいないから

わたしにしかできない。




本当はわかってた。




でもパパのあの怒鳴る声が

自分に浴びせられたらと思うと

恐くて、恐くて、なにもできなかった。




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