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君にクローバーの花束を

第6章 いつつ

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さっきの駅前の広場を通ると、寒いせいか路上ライブをしている連中は片付けを始めていた。


「卓也くん、ああいうのは無視していいからね」

「うん…」


結局何だったんだろうと、卓也はずっとモヤモヤしていた。
さっきギター少年がいた場所をチラッと見てみると、柱の向こうに何かが動いた気配がした。


「卓也くん?」


確かめたくて、気付いたら卓也はその方向に走り出していた。

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