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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第8章 新しい一歩


軽快で甘い、それでいてストレートな言葉


前髪から覗く大きな瞳


私の返事を待つ、期待を込めた上目遣い……



「だ、だめって、いうか……」



……あぁもう、どうしよう。


可愛いと同時に、カッコイイなんて反則だ。


誰か、このドキドキを止めてほしい。


私に、正常に判断する心を取り戻させてほしい。



「私は、ずっと遼くんに……」

「いつか、願いが叶うとして」



恋をしてきたのって言おうとした途中で、ユキに遮られて


持っていたマグカップを取り上げられた。



「その時が訪れるまで、春ちゃんはずっと1人でいるつもりなの?」

「………!」

「それまで、ずーっとずーっと我慢し続けるってこと?」

「………!!」

「デートもキスも、SEXもしないわけ?」



怒涛の攻撃で、固まった体。


その不意を突かれて、とんっと肩を押される。



「………っ」



ラグの上に倒されて、反転した視界に天井が映し出されて


……すぐに、ユキが私の上に覆いかぶさってきた。




「……春ちゃん、枯れちゃうよ?」

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