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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第9章 その時が来るまで

.。.:* side 雪斗 *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*



「ねぇ、ユキ。
最近めちゃくちゃ噂になってるよ」



……4月中旬。


気温20℃前半の、小春日和。


キャンパス内にある、なだらかな芝生の丘で昼寝をしていると


頭の上から、高い女の声が降ってきた。



「お~いユキくん、聞いてる~?」

「熟睡してるっぽいね。
ぜんっぜん動かない」

「寝顔見たい! 帽子取っちゃおっか?♪」



……1人じゃねぇな。


目深くかぶったフードの隙間から、太陽の光がちらついて


頭を少し持ち上げて、後ろで組んでいた手でそれを外すと


寝っ転がっている俺の周りを、3人の女が囲っていた。


さっき来た奴らとはまた違う顔ぶれ。



「……何の、噂?」



欠伸をしながら聞いてみると、3人はさらに身を乗り出して近寄ってきた。



「「「ユキと蓮見さんの噂!!」」」


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