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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第9章 その時が来るまで


出たよ、またその話か。


もう週の後半だっていうのに、何回目だ?


気付かれないように小さく溜息をついて、上半身を起こす。



「1週間に1回来るか来ないかだったユキが、講義に出てるってみんな騒いでるんだよ!」

「……必須課目じゃん」



迷彩のパーカーを脱いで、くっついた芝を払いながら答える。



「蓮見さんが助手してる講義と実技だけって聞いたよ!
水曜と木曜……ってほら、今日も木曜日じゃん!」

「よく気付いたね~」

「空デの研究室もよく覗いてるんでしょ?
しかも水曜と木曜だけ!」

「よく見てるね~」



この一問一答、さっきとほとんど変わりがないって感心するわ。


つーか覗いてるって……俺そんな怪しいの?



「決定的証拠!

この前の土日、ユキの家の近くで蓮見さんを見た人がいるんだって!」


「………!」


「「えぇぇぇ!?」」

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