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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第9章 その時が来るまで


「戻らなきゃ、竹中さんに怒られちゃ……」

「どうして?
中休みだから “ 何してても ” 自由でしょ?」

「……そ、それは……」



そうなんだけどって言葉が、口の中でもごもごしてて


ウサギとか、ハムスターとか、なんかほんとに愛くるしいものに見えてきた。



「こっち来て」

「………!?」



驚く春ちゃんと一緒に立ちあがって


スクリーンの並びにある、入口とは別の扉へと足を進める。



「ユ、ユキ……?」



広さ6畳ほどの、備え付けのパソコン準備室。


内側からカギをかけて、所狭しと並べられたデスクの間を進んで


余りのパソコン機材の隙間に、春ちゃんを追い詰めた。



「わわ、何す……っ///」



体を持ち上げて、デスクの上に春ちゃんを座らせて


立ったままの俺と向かい合わせる。

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