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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第10章 目撃


「ぼ、暴力はダメですよ~~……」



色んな妄想が頭の中に広がって、恐る恐る言ってみると


車の速度を落としながら、宮本さんは声に出して笑った。



「アホ、女に手なんかあげるかよ」

「……で、でも」

「立てなくなるほど愛してやったって話」

「……えっ!?」

「あの発言は冗談。
俺、沙月に説教することなんてひとつもねぇもん」

「~~~~!!」



っっひゃぁぁぁぁ~~!!///


さらりと言い放った胸キュン台詞で、車内に爆風が吹き荒れた。


ってくらい、ものすごい衝撃が心臓を貫く。



「誰にも言うなよ?」

「……は、はははい!」

「彼女にベタ惚れって本来のキャラ、必死に隠してるんだから」



……す、すごい、ドキドキする///


片目を瞑るその仕草も、狙った感じ全くしないし、イケメンっていちいち素敵すぎるよ。


沙月、羨ましいなぁ…!!


手脚をバタバタさせたい衝動を抑えて、ニヤけてしまう顔に手を当てると



「蓮見」




赤信号で止まったタイミングで


宮本さんは私の方に顔を向けた。




「お前、最近いい顔してるな」


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