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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第12章 春の嵐


「春ちゃんにとっての1番は、今までもこれからも1人だけ」


「………!」


「揺るぎない想いだって、よく分かった」


「………っ」


「俺の入り込む隙間もない程の、強い気持ち

……その涙で、充分伝わったよ」




ユキの右手が、私の頬を包む。


止めどなく溢れる滴を、親指で拭って


ユキは真っ直ぐ私を見つめた。




「……だけど、今夜だけ

もう一度、抱きしめてもいい?」


「………!!」


「抱きしめたい。

少しだけでいいから」




……気のせい、なのかな……


ユキの声も、優しく触れるその指も


ほんの僅かだけど、震えてる気がする。




「俺さ、春ちゃんの全てが好きみたいなんだよね。
“ 遼くん ” に恋してるところも、全部ひっくるめて」

「…………!」

「……なんて、そんなワケ無いんだけど
一目惚れって初めてだから、正直よく分かんない」

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