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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第12章 春の嵐


……ドクンと


一際大きく、心臓が跳ねた。





「……お姉さん……?」





いつの間にか、公園の入口に差しかかっていて



目の前に、立派な桜並木が続いている。



……風が、強く吹き乱れていて



その大きな枝が揺れて



新緑の葉が擦れる音が響く。




「……ユキ

お姉さんがいるの……?」


「うん、1人ね」


「…………」


「歳は離れてるけど、正真正銘の姉貴だよ」




立ち止まった私が、放心しているから


本当だよって、ユキは付け加えて笑った。




………違うの。



疑ってるとか、そうじゃなくて



ただ、今から会う家族っていうのは、ご両親だと思ってたし



ユキは一人っ子なのかなって、勝手に思い込んでいたし




……なによりも……





「春ちゃん、この先だよ」





……だって



ここは



公園じゃなくて………


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