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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第2章 桜の木の下で


「……え?

なに寝惚けたこと言っちゃってるのかな~、春菜(はるな)ちゃん」



………運ばれたワインのボトルが、次々と空になっていく。


お酒は強くないから、これ以上飲めないって言ってるのに


この場にいる全員に注ぎ終わると、目の前の席に座る彼女は溜息をついて


私にも、グラスを差し出すよう促してきた。



「ほら、コレ飲んで目を覚ましなさい。
アラサー女が、現実から逃避してんじゃないっつーの!」



“ アラサー ”


注がれたワインで何度目かの乾杯をして、別の話題で盛り上がっていた他の4人が


瞳をギラリと光らせて、一斉に私を睨みつけると



「春菜!
今年27歳になるうちらが、まだ若いなんて思ってたら大間違いよ!」



………それからはもう、ダムが決壊したように攻撃の嵐。



「女の賞味期限はね、短いんだから。
20代前半で終わったの!」


「アラサーに足を突っ込む今……
あとはどうやって冷凍して鮮度を保てるかを考えるのよ!」


「お金をかけるか妥協するか…
努力だけじゃ成果は出ないんだからね~」


「 “ 私はまだ大丈夫 ” なんて余裕があるなら
今すぐその考えを改めなさい!!」













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