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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第3章 8年めの片思い

………触れられた場所が、熱くて



その熱さが、痛みとなって心へ伝わっていく。



顔の火照りが治まらなくて、会議室の窓の方へ足を進めると



4階から見下ろせる街路樹が、綺麗なピンク色で彩られていた。




“ 何年も同じこと言わせないの ”




「…………」




………遼くん。



その言葉、そっくり貴方に返したいよ。



一度も口にしたことは無いし、この先も伝えることはできないけど



8年前の春から、私はずっとこの想いを抱え続けている。




「……安心させられる日が

いつか本当に来ると思う……?」




聞くまでもない独り言を、ぽつりと呟くと



ふわっと柔らかい春風が、桜の花びらを宙に舞い散らせた。



まるで



遼くんへの片思いは、消えて無くなるのが定めだと



私に語りかけるように………


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