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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第3章 8年めの片思い

「残念だな、ピッチピチの若い学生達と会えなくなるんだから」

「…………!」

「将来有望のいい男、1人くらい捕まえたんだろ?」



白い歯を見せてニヤける遼くん。


私は頬を膨らまして睨みつける。



「そんなのいないよ!」

「照れるなって。
春菜だったらまだギリギリ大丈夫だから」

「~~ギリギリって! 失礼な!」

「27歳だろ?許容範囲だから問題ないよ」

「今はまだ26です!」

「はいはい、どっちでもいいって」

「良くない……っ」



思わず背伸びをして身を乗り出すと



「…………!」



私の頭を、遼くんはクシャクシャと軽く撫でた。





「………可愛いんだから


さっさと彼氏作って幸せになれよ」



「…………っ」



「何年も同じこと言わせないの。


早く俺を安心させなさい」





………頭から手を外して、にっこりと微笑むと


先に行くわ、と言って


遼くんは会議室を出ていった。


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