テキストサイズ

春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第4章 秘密の始まり…?

………………………………………………
………………………………………………



「今月で終わり?
僕、そんな事聞いてたっけ?」



………水曜日。


今日も空は快晴、爽やかな春風が舞う午後1時。


午前中の講義の片付けを終えて、研修室に戻ると



「困ったな~。
代わりの助手さん、まだ見つかってないんだよねぇ」



入れたての煎茶を啜って


来年還暦を迎える教授は、のほほんとした笑顔でそう言った。



「……い、言いましたよ!」



私は慌てて教授の隣りに座って、人事部からもらった書類を取り出した。


~~~遼くんの言った通りだ!


退職届けなるものを書いてくるべきだったんだ!


60近いとはいえ、空間デザイン科の名誉教授だから大丈夫だろうと思ってたけど


トボけてるとかじゃなくて、この様子だと本当に覚えていなかったりして……

ストーリーメニュー

TOPTOPへ