春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第4章 秘密の始まり…?
「島田先生ってば。
春菜ちゃん、何度も言ってたじゃないですか」
ホワイトボードに明日の予定を書きながら
私と同じ職務、もう1人の助手さんが助け船を出してくれる。
「うまくいけば、来月から正社員になれるんですって。
ね、春菜ちゃん」
「は、はい……!」
「本当に凄いわ。
週3勤務のパートから昇格するんだから」
何も言わずにお茶を飲み続ける教授を見て、ふっと笑うと
2つ年上の彼女は、私の両手を取りギュッと握った。
「任期も終わっていたのに、ここまで続けてくれて感謝してるわ。
ありがとうね♡」
「ね、姉さん~~っ」
「あはは。
も~~やめてよその呼び方」
………課題の提出日や展覧会が近付くと
何日も徹夜したり、大学に泊まり込みなんてこともしょっちゅうだった。
学生達以上にハードな助手の仕事。
ここまで続けられたのは、尊敬する先生達と優しい仲間のお陰だ。