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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第5章 誘ったのは、私です

………そんなわけない。


大学1年から4年まで、毎年入れ替わる学生達の名を把握することなんて不可能だ。


覚えてるとしたら


成績優秀者とか、逆に課題を提出しない問題児とか、仲良くしているゼミの子達とか……そんな感じ。




だけど、彼の場合は……




『……あなた、有名だもの』




教授や助手といえども、所詮は女であるということ


中学や高校と違って、飲みの席で女子トークをするくらい、学生達と近い距離であることから


空間デザイン科に、群を抜くイケメンがいるということは噂でよく耳にしていた。



………でも


実物がこんなにカッコイイなんて、思ってもみなかった。



『俺、ほとんど大学来てないのに有名なんだ。
知らなかった』



理由を聞かずにトボける感じが、モテ慣れてる証拠。



『あんたも割と有名だよ。
綺麗なお姉さんって代名詞で』

『…………!』


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