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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第5章 誘ったのは、私です


「………春ちゃん」




ゆっくりと体を離すと


ユキは、私を真っ直ぐ見つめた。




「たった1日で

俺、あんたに惚れたらしい」


「…………!!」


「心も、体も

春ちゃんを欲しがってる」




さっきまでの、陽気な笑顔を消して


ユキは、真面目な顔でそっと私の手を握り締めた。




「俺の彼女になってくれない?」


「…………っ」


「本気だよ。

それを伝えたくて、ここに呼んだの」




心臓が壊れたように、激しく鼓動を続ける。


木漏れ日によってキラキラと光る、金色の髪。


前髪の隙間から覗く、大きな瞳。


何もかもが、私の心を刺激してくる。



「……わ、私は……」



彼にドキドキしているのは、もう認めざるをえない。


……だけど




「す、好きな人がいるの……」


「…………」


「……大学に入った時からずっと

その人のことだけが、好きなの……」


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