春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第6章 先輩と後輩
「ま、まぁそんなわけでですね!
春菜と一緒に行くことにしたんです!」
身を乗り出して真相を聞こうとした私を、制止するように
沙月は再びバッグを肩にかけ直して、腕時計に視線を落とした。
「7時から開始だから、そろそろ出なきゃ。
春菜、もう出れる?」
「う、うん。
これが終わったら帰るつもりだったから、大丈夫だよ」
「良かった!
私もメールチェックだけして終わりなんだ。
すぐ済ませるから、ちょっと待ってて!」
慌ただしい沙月の様子がますます怪しい~~!
これは飲み会中に根掘り葉掘り聞き出さなきゃ!
………ユキのこともあったし。
私も飲みたい気分だから、丁度良かったかも。
「加賀谷さんは不参加ですよね」
店舗開発部に戻ろうとした沙月が、くるっと振り返った。
「春菜は責任もって、私が帰りまでお伴しま……」
「いや、俺も行く」
「…………!」