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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第6章 先輩と後輩


* * *


………ドキドキして、ふわふわする。


いつもそうだ。


遼くんにとっては何でもない一言が、私の心臓をキュンキュンと鳴らす。




「結果的に、同期会じゃ無くなったねぇ」



会社から徒歩5分、古民家を改装したお洒落なカジュアルフレンチ。


お店の1番奥の席、テーブルを挟んで目の前に座る沙月は


店内にぎゅうぎゅうに押し込まれた社員達を見渡して、やれやれといった様子で白ワインを口に含んだ。



「部長まで来ちゃって、幹事の人大慌てでしたよ~」

「綾瀬、飲み過ぎ。
明日休みだからって、調子に乗るな」



沙月の隣りに座る営業部の宮本さんが、テーブルのワインボトルを取り上げた。



「宮本さんが私を連れてきたんじゃないですか。
当然、私達の参加費はもってくれるんですよね?」

「…………」

「やったね春菜、飲みまくろう♪
奢りほど美味しい酒は無い!!」

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