春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第6章 先輩と後輩
宮本さんの手から、ひったくる勢いでボトルを奪い返すと
沙月はケラケラ笑いながら、私のグラスにワインを継ぎ足した。
「さ、沙月……」
送別会が始まって1時間、夜の8時。
最初から飛ばす沙月に合わせていたから、私も大分顔が赤いと思うけど
いつも以上に酔っ払う笑い上戸の沙月を見ていたら、私も楽しさが増していく。
それに、なんとなく……
「沙月、なんだか今日可愛いね」
「……えっ!?」
「いつも飲んでる時とは、ちょっと違うっていうか……
沙月が嬉しそうだから、私も嬉しい♡」
思ったことを素直に伝えると、沙月は物凄く驚いた顔をしてグラスを置いた。
「春菜ってば///
いきなり何言って……」
「だろ? こいつ可愛いんだよ」
「「………!!」」
咥えた煙草に火をつけながら、沙月の代わりに宮本さんが答える。
「酔っ払うと記憶無くすから、気が気じゃねぇんだ。
沙月を狙う悪い虫が付かないか、心配で」
「~~~~っ///」
「蓮見、頼むな。
俺が居ない時は、見張っててやって」