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春雪 ~キミと出逢った季節 ~

第6章 先輩と後輩

宮本さんと沙月が作りだした、アットホームな雰囲気からか


呼び方が、また “ 春菜 ” に戻っている。




………遼くんは、気付いていない。



私がその度に、涙が出るほど嬉しくなることも



自分は特別だって勘違いすることも



遼くんは何も知らない。





“ 仲良しっていいなぁ♡ ”


“ 春菜が心配だったからだと思うよ ”


“ さすが春菜、愛されてるねぇ♡ ”





……後輩としてって意味だって




同僚達も、沙月も、みんな分かってる。






分かっていないのは、ただ1人。




いつまでも自分の恋心を引きずったまま




いつか夢が叶う日が来ると、信じている




現実逃避をしている、私だけだ。



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