春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第7章 眠れない夜に、温もりを
笑いながら沙月の肩をバンバン叩くと、ホッとしたように沙月も微笑んだ。
……ほんと、優しいなぁ。
宮本さんが心配する気持ち、凄くよく分かるよ。
「今度は女同士、気楽に飲みに行こうね♡」
「……うん」
「あ、でも宮本さん本当にトークが面白かったから、また一緒させてほしいな。
沙月が良ければの話だけど♪」
広場に取り付けられた時計が、夜の9時を指している。
いつもは終電ギリギリまで飲んでるけど、まだ時間はあるから
電車乗る前に、コーヒーでも飲もうかな。
「じゃあね、沙月。
何の説教されるか分からないけど、頑張って」
手を振ってバイバイして、カフェの方向に歩き出そうとすると
「……春菜!」
後ろから、沙月に呼び止められた。
「私、春菜のこと好きよ。
本当に大好き」
「…………!」
「私に出来る事があれば……何でも言って。
春菜が幸せになるのを
私、心から願ってるから……」