春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第7章 眠れない夜に、温もりを
………聞きたいことは、たくさんある。
会社がどこかは教えていないユキが、なぜここにいるのか
偶然だとしても、どうしてここで会う事が出来たのか
………頬を撫でるユキの手が
凍っているかのように、冷たいのはどうしてか………
「…………っ」
言葉にならなくて、頭がパニックで
それでも、なんとか手だけを動かすことが出来たから
ユキの指に、そっと手を添える。
「あはは、春ちゃん可愛いすぎ♪」
「………!」
「触ってくれるだけで、嬉しい。
俺、心臓ヤバイことになってるよ」
……おとといの図書室の時もそうだったけど
予知能力か、透視機能を持っているのだろうか。
今夜、私が眠れない夜を過ごすなんて
私以外の、誰も知る筈が無いのに………