バイ×4に幸あれ
第1章 いつもの日常+…?
『ちょ…やめ、そんなとこ…ッ』
『んなこと言って…
しっかり勃ってんじゃん?』
『ひ、ぁッだめ、──ブツ「いっつぁ!?」
「かーえでってば!!」
イヤホンが抜かれて
ヒリヒリする耳を押さえ、
背後にぐるんと勢いよく振り向けば
あたしのイヤホンを握り締める
親友の桃ちん。
「ちょ、今イイとこだったのにぃ…」
「あのね。ここ学校だから」
「んなこといって桃ちんだって
画像みてるじゃんか!!」
画像はいいの!
なんて屁理屈をいう桃ちんは
あたし同様、腐女子です。
あたしも桃ちんも
最初は男アニメキャラ同士の
公式の軽いイチャイチャに惚れ、
そこから同人誌とか
サイトとか画像とか巡り巡って
完全ドはまりな腐女子になりました。
今では三次元のほうでも
勝手にカップルを作って妄想して
それを語り合うほどにまで。
と、いうのもあたしらのクラスで
ほぼ公認、みたいにラブラブな
カップル(実際は親友だけど)がいて。
「おっはよーーっす!」
「だぁもう!蒼、マジ腕いてぇ」
あぁ、
噂をすれば、てやつだ。