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only one【完】

第11章 嫉妬

チラッと高木さんが時計を見て「話は終わった。もう帰れ」と視線をおとす。




「はい」




「送っていかないけど、気をつけて帰れ」




「はい」








何時もなら車でアパートまで送ってくれていた。

別れたと言うのはそう言うことだ。
気持ちがあったとしても、望みがなければ特別扱いはしない。


分かりやすい高木さんなりのケジメ。






「じゃあ、帰ります」



「あぁ…気をつけて」









バタンとドアの閉まる音に、一気に涙が出た。


決して高木さんを嫌いになった訳じゃない。
だから余計に寂しくなる。



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