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only one【完】

第12章 運命

だからって美化するつもりはない。





私が辛かったからって、必ずしも彼女が幸せだったとは思わない。



もしかしたら、彼女も寂しかったかもしれないし、
気づいていたかもしれない。



私のように、知らない相手に嫉妬していたかもしれない。









誰かを思えば、誰かは傷ついている。

誰かが笑顔になっていたら、誰かは泣いているのかもしれない。





私も隆史を好きになって、隆史も私を好きになってくれて、
実際に、高木さんや五郎を傷つけた。



だから…


だからその分、今の自分の気持ちには嘘はつきたくなかった。




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