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only one【完】

第4章 甘い罠

「忘れられないヤツ…」




私は呟くように高木さんの言葉を繰り返した。






「あぁ」




高木さんは私の次の言葉を待つように、私を真っ直ぐ見つめてくる。












「忘れられないヤツは居ないです。ただ…」










私も高木さんを真っ直ぐ見つめた。












「…ただ。忘れなくちゃいけないヤツならいます」









忘れられないじゃすまない相手。
隆史はもう結婚してしまった。
私じゃなく、違う相手を選んだんだから…





自分の言った言葉に涙が出そうになった。




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