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only one【完】

第4章 甘い罠

泣きそうなる私の頬から、高木さんが手を離して、その腕が私を優しく包み込んだ。







「え?高木さん?」



「どんなヤツでも、お前をこんな顔にするヤツがムカつくな」






その声は何時ものような余裕のある声でも、意地悪いような声でもなく。



高木さんの声とは思えないくらい、押し潰した声だった。









「マジ…ムカつく」










またそう言うと、私を抱き締めている腕に力が入る。




こんな状況だけど、ちょっと自分が有利な立場にいるのを感じながら











「高木さん…私のこと好きなんですか?」










何時も仕返しのように、意地悪な事を言ってみると、ピクッと一瞬高木さんの体が反応してから、私から離れて









「…だったらなんだよ」







覚悟を決めたのか、その声は何時もの余裕の高木さんで…




その顔は意地悪に笑っていた。




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