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only one【完】

第5章 再会

「隆史…」










自分でも声を発したのか分からないぐらいで、彼の名前を呼んだ。




隆史はそれに答えるかのように、目を細めて笑った。









その笑顔は反則だよ。
私はまだ笑えないのに、隆史はもう笑えるんだね…




そうだよね…
隆史は今幸せなんだもんね。
奥さんがいて、きっと可愛い赤ちゃんも産まれてるんだろうし。



滲んでいる視界の中で、隆史が近付いてくるのが分かる。










「元気だったか?」









変わらない隆史の声に、もう隆史の姿が分からないほど、涙が溢れていた。




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