テキストサイズ

only one【完】

第7章 温もり

高木さんはけして口数が多い訳じゃない。
こうやって二人で居ても、あまり話はしない。



隆史の時には、嫌で仕方なかった沈黙も、高木さんとなら心地よく感じる。









それはきっと気持ちの問題かなぁ…









隆史が何も話さないと、不安で仕方なかった。

隣りに居るのは私なのに、もしかしたら彼女のことを考えてるんじゃないかって…



高木さんは違う。

高木さんの口から出る言葉の一つ一つから、
高木さんの行動の一つ一つから、私を思っていると言う気持ちが伝わってくる。









「そろそろ寝るか」



と言う高木さんに素直に頷いたのは、そう言う気持ちに気づいたからなのかもしれない。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ