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only one【完】

第8章 悪戯

トイレで高木さんに電話しようと思った。




今すぐ会えなくても、声が聞きたい。




抱きしめてもらえなくても、そばにいると感じたい。











ドン……―



「あっ…すいません」



トイレの狭い通路ですれちがう人とぶつかり謝る。



「大丈夫だよ。あれ…アンタ」




顔を上げると、見たことのある男の人。
けどそれが誰かは思い出せない。
それは男の人も同じみたいで…




「どっかで会ったことあるよね?…何処だっけ…」




ジッと私を見つめている。そして「名前は?」と聞かれ「晶」と素直に答えた。



男の人は思い出したように、パッと明るい顔になって













「思い出した!アンタ、隆史とこないだ話してたよね」







隆史?


記憶を遡る…
あっ、こないだ隆史と一緒にいた人。





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