久恋。
第4章 後輩。
「…あいつって?」
誰の事か分からず聞くと、
小山君は俯きながら答えた。
『先週の勧誘の時に来てた、ロッ…ヘッドホンつけてた子だよ。
あいつ、村山さんと同じ部署に入れたくないな…。』
私が担当しているのは、
運営管理係といって
主に編集係が作ったデータの整理・保管や、発行に必要なお金を扱う会計のような仕事を任されている。
一番新聞部らしくない係ではあるが責任は大きい。
『今年、運営管理係には1年生から2人だそうと思うんだけど、どう?』
「取材係と編集の人手が足りていれば、来てほしいかな…。
って、先週の子、来てたの!?」
すると小山君はなぜか笑いながら
『来てたよ~(笑)
なんでだろね、あいつの周りだけ空気が違うんだよな。
ぼーってしてるだけに見えるのに、何か寄りづらい。』
「私、全然気づかなかった…」
『まじで!?
村山さん、すごいな~。
…あ、でも、今日眼鏡かけてたから分からなかったのかも。
宇田も、"雰囲気違う"って言ってたし。』
宇田君は、同じく新聞部にいる同級生で、小山君の友人だ。
…そういえば、いたかも!
黒縁眼鏡で、片方の肘を机について座っていた男の子。
でも今日は…