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言葉で聞かせて

第1章 姉から突然の呼び出し

マンションは職業柄万が一を想定してのオートロック
最上階の4LDK


玄関入ってすぐの廊下の突き当たりがリビングダイニング
廊下は右側手前から悠史の部屋、トイレ、洗面所・風呂、対面式のキッチン
左側は俺の部屋、収納、ダイニングから出入りする和室
ダイニングの右奥に孤立した空き部屋

千秋さんに貸すのは家の一番奥にある空き部屋だ

玄関に近い部屋は色々な事情から俺達が使ってるから諦めてもらおう


まぁ、聞きたくないようなもんもあるだろうしな


悠史が部屋に案内すると、千秋はキョロキョロと何もない部屋を見渡した


「こちらの部屋でいいですか?」
「!」


コクコク勢いよく頷く千秋は明らかに年齢詐称だ


ガキくせえ


「荷物はここ置くぞ」


俺が悠史を見ると小さく頷いた悠史が千秋さんに穏やかに話しかけた


「荷物を整理する前に、少しよろしいでしょうか?」
「?」


俺達はダイニングに戻って、ソファに座った


「僕達と一緒に住むにあたって、約束して欲しいことがあります」


悠史の言葉に千秋さんは顔を引き締めた


「年下の僕達が言うのは本当におこがましいのですが、ホストという職業柄色々あるのでどうかお許しください」

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