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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


返事をしている余裕もないから頭を上下に振るだけで答えた僕に、また敦史さんは厭らしい笑みを向けてきた

そして


「増やすぞ」


と言われて、入っていた指が1本から2本に増やされる


圧迫感が増えたけど
痛くはない……かな


さっきまで散々意地悪をしていた敦史さんの指はただ僕を解すためだけに動くようになる

悠史さんはさっきからずっと身動き一つしないでただゆっくり待ってくれているだけ


これって愛されてる、のかな


2人に気遣われて、ゆっくり進められる行為はもう何十分と続いていた

そして遂に


「そろそろ入るかな」
「あぁ。結構いい感じなんじゃね?」


と言われた


とうとうこの時が……!!


生唾を飲んでしまって、緊張が身体に出てしまう


「千秋さん、身体に力が入ってしまってますよ。大丈夫ですから、リラックスしてください」
「は、はい……」


大丈夫、って
さっきまで僕の身体に負担がって渋ってたのに……!!

でも、安心させてくれようとしたのかな


そう思うと悠史さんの優しさが身体に満ちて、自然と力が抜けた


「千秋、入れるぞ」


敦史さんの大きな手で頭を撫でられて、僕は笑顔で頷く


覚悟、出来ました

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