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蜘蛛と蝶〜囚われた蝶〜

第3章 蠍と蝶

そう思っていたけど……お母さんに。



“だらだらしてないで、お外にいきなさい!”



家を追い出されてしまった。お金もそんなにないし、一体どこへいけばいいんだろう。



そんな事を思いながら、町中を彷徨って時だった。



「お姫サマ。暇なら、オレが相手しようか?」



お姫サマ?



だれのことだろうなんて思いつつ、通り過ぎようとすると……



突然手首を強く掴まれ、耳元で囁かれる。



「音楽室で不破と何してたの?」



……え。



思わず体がこわばる。



この人なんで……



妃奈がひとりパニックになっていると、追い打ちをかけるように。



「黙ってて欲しいなら、お姫サマ次第だね」



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