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ねえ、大好きなんだけど。

第4章 驚き



その日はどしゃ降り。
梅雨に入って間もないある日の夕方。


ベットにねっころがっていると。

机の上のケータイが鳴った。

松下が
「奏真様でございます」

両親には付き合いはじめて
1ヵ月たった頃に話していたので
松下も了解していた。


「ありがとう」

ケータイに耳をあてても
もしもし、と問いかけても
電話の向こうの人はなにも
言わない。

「…そうま…?」


3分くらいたった頃に


ぐす、と嗚咽が聞こえた。


「奏真?泣いてるの?
どうかした?ねえ…」


「くっ、、」

「会おうか。ねえ、どこにいるの?
家?」

「…………ごめんな」


「え?」

微かに聞こえたその声は
小さくて消えそうで
でもはっきりそう言った。


「…落ち着くまで待つから…。
話して」


「…うん…っ」

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