ねえ、大好きなんだけど。
第7章 七夕の日
「寝ましょう。明日の準備が
あるので俺は行かなくてはなりません」
「そうよね。…あたしの我が儘
聞いてくれてありがとう」
「いえ、あなたの我が儘なんか
じゃないですから。」
ベットにあたしを寝かせると
「最後のキス、していいですか」
「っ…最後なんて言わないで」
「いえ、最後です。失礼」
ちゅ。ほっぺに優しくキスされる。
でもすぐ離れてく。
いやだ…
「では」
こつ、こつと離れる足音。
「いやあっ」
ベットから飛び降りて
お腹痛いの我慢して慶祐に
とびついて、唇を重ねた。
驚いてされるがままの慶祐も
だんだん舌を絡めてくれた。
「はあ…んぁ」
キスされながらベットに
後戻り。
「おしまい」
毛布をかけられる。
と、慶祐がジャケットを
その上から被せてくれる。
「おやすみ。瞳」
「おやすみ」
―――バタン
閉まったドアがむなしくて
廊下を歩く彼を想像したり
体を重ねたときのあの
どきどきや
星をみる彼の横顔を思いだし
ジャケットのにおいを肺いっぱいに
吸い込んで
手いっぱいに握りしめて
めをとじた。