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ねえ、大好きなんだけど。

第7章 七夕の日



「さて。寝てください」

「まって、星みたい」


「そんな格好じゃ風邪ひきます。
きてください」


寝間着を着せられる。

「もう、大丈夫ねっ」

立ち上がろうとしたとき。

「いったいっ!」

「ほら、言ったでしょう。
まだしたばかりです。痛いの当然です」


「う、うるさいっ。…星見たいなあ」


「俺の肩につかまってください」

「え、ひやあっ!!」

お姫様だっこされる。
ベランダに運ばれて椅子に座らされる。

「あ、ありがとう」

「いいえ」

「わっ、綺麗」

「はい。あれが夏の大三角形です」


「へえ、、」


「あの一番輝いてる星のうち
あれが、ベガ。織姫です。

そしてアルタイル、彦星。

まわりの星は皆天の川です。

そして、白鳥座のデネブ。
デネブは二人を繋ぐ鳥を意味します」


「すごいのね。
今日はじゃあ織姫と彦星は無事に
会うことが出来るのね!
わあ、なんか嬉しい!」


「はい。だれかに似てますね」

「え?」

「織姫はもちろん貴方。
彦星は残念ながら俺ではなく涼太様。

白鳥は俺です」


「…え…」


「大丈夫です。俺も貴方が見えるところにいつもいますから。
貴方が困っているときは必ず手を差しのべます。

本当は俺が彦星になりたいです。

ですが、それは叶わない。

だから俺は精一杯白鳥として
あなた方を繋げる役目になります」



「…慶祐っ」

「また泣いてますよもう」

ジャケットからハンカチを出すと
あたしの涙をふいてくれる。

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