浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第34章 25バンチの亡霊
(16)
「シモンズ教官ッッッ!!!」
ナオトは目の前の大爆発が信じられなかった
間一髪で自分を救ってくれたシモンズ機が、自分の代わりに〈ビグロ・ヴァール〉に捉えられ、機体に損傷を与えられ爆発してしまった……!
「そ、そんな……!?」
指の震えが止まらない…!
心臓の音が大きく感じる…!
胸が締め付けられて苦しい!
何も無い宇宙空間
そこへ微かな信号がモニターに光っている
「……ナオト!早とちりするなバカッ!
早く救助に来いッ!」
「………あれ?」
「爆散するブースターパックを直前に切り離したんだ、弾き飛ばされてコロニーの外壁に引っ掛かかってる、早く迎えに来いッ!」
ナオトの〈シュテルン〉が外壁を旋回し、シモンズ機を発見出来た
ブースターパックの爆発で噴き飛ばされ、機体の手足も千切れ飛び、頭部のメインセンサーも破壊されていた
〈シュテルン〉のワイヤーで引っ掛けてシモンズ機を牽引、そのままコロニー外壁の開閉ゲートへ入っていく
エネルギーがほとんど残っていない機体は凧のようにフラフラとコロニー内部を漂う
森の中を滑空し
墜落した
絡み合った2機はハッチを開けて木々に吊り下げられている
転がり落ちるように森の木々から地上へ降り立った二人は安堵し、抱き合ったのだった…
「…良かった!シモンズ教官!」
「また森の中でふたりきりか…、こんなところで教官も何も無い
私はシモーヌ、森の中のただのシモーヌだよ」
「生きているだけでも奇跡ですよシモーヌ!」
「そうだな、でもここで生きていくのは勘弁だね」
ふたりは薄暗い森の中を彷徨い、やがて小さな滝のある渓流に出た
そこは見覚えがある光景だった……
救助隊が彼らを見つけたのは翌朝の明るい時間になってからだった
そしてレウルーラを旗艦とする新生ネオ・ジオンの艦隊と連邦軍の外郭部隊ロンド・ベル隊はロンデニオンを離れ、地球へ向かっていった
〈地球寒冷化作戦〉の始まりだった
「シモンズ教官ッッッ!!!」
ナオトは目の前の大爆発が信じられなかった
間一髪で自分を救ってくれたシモンズ機が、自分の代わりに〈ビグロ・ヴァール〉に捉えられ、機体に損傷を与えられ爆発してしまった……!
「そ、そんな……!?」
指の震えが止まらない…!
心臓の音が大きく感じる…!
胸が締め付けられて苦しい!
何も無い宇宙空間
そこへ微かな信号がモニターに光っている
「……ナオト!早とちりするなバカッ!
早く救助に来いッ!」
「………あれ?」
「爆散するブースターパックを直前に切り離したんだ、弾き飛ばされてコロニーの外壁に引っ掛かかってる、早く迎えに来いッ!」
ナオトの〈シュテルン〉が外壁を旋回し、シモンズ機を発見出来た
ブースターパックの爆発で噴き飛ばされ、機体の手足も千切れ飛び、頭部のメインセンサーも破壊されていた
〈シュテルン〉のワイヤーで引っ掛けてシモンズ機を牽引、そのままコロニー外壁の開閉ゲートへ入っていく
エネルギーがほとんど残っていない機体は凧のようにフラフラとコロニー内部を漂う
森の中を滑空し
墜落した
絡み合った2機はハッチを開けて木々に吊り下げられている
転がり落ちるように森の木々から地上へ降り立った二人は安堵し、抱き合ったのだった…
「…良かった!シモンズ教官!」
「また森の中でふたりきりか…、こんなところで教官も何も無い
私はシモーヌ、森の中のただのシモーヌだよ」
「生きているだけでも奇跡ですよシモーヌ!」
「そうだな、でもここで生きていくのは勘弁だね」
ふたりは薄暗い森の中を彷徨い、やがて小さな滝のある渓流に出た
そこは見覚えがある光景だった……
救助隊が彼らを見つけたのは翌朝の明るい時間になってからだった
そしてレウルーラを旗艦とする新生ネオ・ジオンの艦隊と連邦軍の外郭部隊ロンド・ベル隊はロンデニオンを離れ、地球へ向かっていった
〈地球寒冷化作戦〉の始まりだった