『浮遊空母～ぼくの冷たい翼～』第45章「あとがき」　578ページ

小中大テキストサイズ

浮遊空母～ぼくの冷たい翼～

第45章あとがき

「プラガーシュ３人の話し」

インドから参戦した３人の女性使者

実際はマシーンありきで後から選ばれた強化人間

リーダーのアニーカ・カリードが少し中年女性
ノマとファラは若いパイロット

３人ともインドの中でも未開な地方出身

カーストの最下層の身分で差別、虐待、強姦などひどい人生を送ってきた哀しい兵士

それぞれが出産経験を持つママさんでもある

ネーミングの由来はインド初のガールズ・ロックバンド、プラガーシュのメンバーそのままの３人の名前から拝借

実際インドの古いしきたりによりバンドは恐喝され解散させられてしまう

このことが人権団体により伝えられ、世界的ニュースとなった

なんでも女がジーンズを履いて、ロックな音楽などけしからん！という宗教的な大問題になったそう

お話し中期、アジアを移動する設定を考えたとき、インドの日常的な差別殺人を見聞きして「次はインドだな」と思っていました

その前の前振りとしてシンガポールから早めに参戦させたわけです

それぞれの凄惨なバックボーンもたくさん書けたので、狙い通りに書き切りました

いちばん可愛そうなファラ

捉えられ、レイプされ、殺されて木に吊るされたところを発見される

というのは自分でもショッキングなエピソードです

近代化していない古い民俗風習は残っているのだ、というのをしっかり書いたつもり

またその後のアニーカとラルフ、ノマとソニア&タオというふうに充実した時間も与えられて、さらにメリハリがついて良かったと思います

クライマックスでノマを戦死させてしまいましたが、すこし描写が淡白すぎたかもしれません

アニーカ・カリード（ギター）
ファラ・デハッラ（ドラム）
ノマ・ナッジール（ヴォーカル）

名前はもう少し抑揚を付けています

強化人間ということもあって全登場人物の中でこの３人がいちぱん最強と捉えています

エターナル計画の被験者たちは反応速度が早いだけなので

それに強化人間専用のサイコ・フレームマシーンに乗っていますからね

プラガーシュそのものもモビルアーマー、エルメスをイメージしています