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missing☆ring【完】

第4章 3年前。

高3になった時、陸とはクラスが別々になってしまった。




高3の一年間の私の想い出に陸と共有出来る想い出が少ないことに悲しくなる。
私だけが知っていた陸を、私じゃない誰かが気付いてしまうことに苦しくなる。



クラスメイト。
その枠組みがなくなってしまったから、陸の隣で無条件で笑っていられなくなってしまうことが、切なくなくなる。



だけど「裕実、帰りに買い物付き合って」と陸は私の教室に顔を出す。



一緒に居れる理由をくれる。



「何買うの?」


「財布が壊れた」




陸はズボンのポケットから革の長財布を出して、壊れた場所を見せてくれた。



「あぁ、ダメだね。お金が落ちちゃうね」



その長財布を手にして呟いた。



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