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ホットミルク

第2章 先生

俺は彼女の前の席に座ると
さっそく訊いた

何故、寝てしまうのか
それも今月に入ってからほぼ毎回

彼女の答えはいたって単純な物だった

悩みがあって眠れないとか、親の喧嘩が煩くて眠れないとかではなく


遅くまで電話してるから


ただそれだけだった

そんなこと言われたら、当然気になるのは
誰と⁇
ということである


訊いてみたら
友達、だそうだ



しばらく話している間に
お説教の話から世間話に変わっていた


瀬乃が意図的に変えたのかどうか分からないが…



しかし、俺は
ぶっちゃけ何を話したのか覚えてない


うわっ、好きな人との会話を忘れるのかよ


って、思う人もいると思う
でも違うんだ

忘れたんじゃなくて
耳に入って来なかったんだよ



…つまりだな

彼女の仕草とか、声可愛いなとか、唇の動きとか、髪綺麗だなとか、指細っせーなとか、肌白いなとか、眼がおっきいなとか…

そういうことばっかりに気を取られてしまっていたんだ


彼女をぎゅって抱きしめたい気持ちで
頭がいっぱいだった








って、なんか変態みたいだな、俺。

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