テキストサイズ

暗闇で恋しましょう

第10章 お買い物3

それでも、放送は呼び掛けを止めることを止めない。


迷子を見付けることが第1なんだから当たり前だけど。



『黒のパンツ、白いTシャツに灰色のシャツを重ね着して、腕時計をした30代男性……』



……30代男性?


30代にもなって迷子とは、一体どういうことなのだろうか。


だからなのか放送を言う人もかなりぎこちない。


それに、放送内容がとてつもなく抽象的だ。


名前の一つも言いやしない。


これでは、見付かるものも見付からないのでは。


変な迷子の放送に首を傾げていると、気付いた視線。


周りを見れば、ちらほら俺を見る人が見受けられた。



?何故見られている?



疑問に思えど、ふと過ぎったのはさっきの放送。


迷子の放送。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ