無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

じーんと感傷に浸る時間。


それを与えてくれないのも、またひぃちゃん。



「はい。降りる」



込み上げた熱いものも一瞬で冷め切った。


流石ひぃちゃん。天晴れ。



“何が”を教えれば、“どく”



それが条件でしたものね。


どきますよ。えぇ、どきますとも。


だって、私は決めたんだ。


幼稚な自分を捨て、“大人の女性”になると。


私の変化に気付きはしたひぃちゃん。


その変化がちゃんと、私の思惑通りに映っていたのかだとか、私が変わろうとしている理由が気にならないのか、だとか。


聞きたいことは色々、諸々だけど、降りてからでもそれは聞けるし。


目指している大人の女性は、降りてからでもきっと聞かない。


すっと軽やかに降りて、どや顔せずにちゃんと正座で座り、口を開かず沈黙を守る筈。