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暗闇で恋しましょう

第2章 唯一の

呆れられて離れていってしまったら、私の唯一の癒しが。



「っ....」

「杏ちゃん、いつも言ってるけど、服は」



水上さんの顔が、さっきとは違う意味でぎょっとしたのが分かった。


理由は簡単。


私の霞んだ視界にあるのだろう。



「え、な、なんで涙目?!どうしたの?!」



わたわたとする水上さんに、ぎゅぅと抱き付けばぴたりと止まる動き。


もしかして、お肉が当たってもっと私に呆れた?


その事実は辛いけど、これだけは言わせて欲しい。



「水上さん、太っても、私のこと見捨てないで.....」

「.........へ?はい?何の話?」

「え、だって、飛び付いた時のあまりの私の重さに呆れたんでしょ?こいつ....太りやがったな.....って」



じーっと訴える様に見詰めれば、ぽかんと口を開けたまま固まられてしまった。


数秒後、何かに気付いたように、また片手で顔を覆い、吐かれた言葉。



「違うよ.....杏ちゃん、服。服着て」



言われて下を見れば、確かに真っ裸。


ひぃちゃんもいないのに、何故?と少し考えればすぐに出てくる答え。



「あ!そうか!これからお風呂場でオナ」

「服着てって!!」



その答えを口に出そうとしたが、それは水上さんに即阻まれた。

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