
暗闇で恋しましょう
第15章 好奇心8割 真心2割
何枚目かのティッシュ。
丸め、これまた見事にホールインワン。
しかし、それを決めた本人はそんなこと、気にも止めず不機嫌顔。
理由は……何となく察している。
だから、敢えて聞かず。
私は水上さんのために、ティッシュを持ち正座するのみ。
「……杏ちゃん、良いよ。別に。持ってなくて」
「ううん。良いの。私が持ってたいだけだし」
「………気、遣わせてるよね…ごめんね。もうちょっとだけ、時間頂戴。自分の中でちゃんと片付けるから」
水上さんは、こんな風に苛立ったり、さっきみたいに泣いたり……
そういう“負”の感情を私の前では見せてくれない。
それもまた、水上さんの優しさ。
分かってるけど、だからこそ、見てみたいと思うのは私の好奇心で。
